19 January, 2011

この前、山の手線の電車に乗っていました。
途中、渋谷駅で電車が止まってしまいました。
人身事故でした。

ぼくは、そんなに急いではいなかったのですが
山手線から埼京線に乗り換え、家に帰ろうとしました。
乗り換える途中で
「なんで日曜日に自殺するんだよ。」という女の子の声が聞こえました。
ぼくは「そうか、日曜日の自殺ってめずらしいのか。」と、ふと思いました。

翌日の朝、テレビのニュースで
全盲の方がホームから誤って転落してしまったということを知りました。
昨日の人身事故は女の子が言っていた自殺ではなかったのです。

電車乗車中に、下車駅を乗り過ごしたため、一度電車を下車し、同じホームから出発するはずの電車に乗ろうとしたところ、誤って転落してしまったそうです。
その時、一人ではなく、二人だったのです。夫婦で歩いていたそうです。
二人とも全盲だったそうです。
なんて、悲しいことなのでしょう。


話しは変わりますがこの前、全く違う日にとてもあたたかな光景を目にしました。
全盲の夫婦がつえをつつきながら、前を確認しながら歩いていました。
その夫婦の手を握り、真ん中にいたのが
目の見える子供だったのです。小さな子でした。
おそらく、その子は夫婦の子供だったのでしょう。
二人の手を引き、「こっちだよ。」と笑いながら歩く三人の姿は
とてもあたたかかったです。
たぶん、両親は子供の成長する姿を自分の目で見ることはできないのだろうなと
思いました。

それでも、すごく幸せだと思うのです。
たぶん。だって、とてもおだやかな笑顔だったんですもの。

彼らの歩く姿は
ぼくにものすごく強いあたたかさを与えてくれました。
すごく。

目が見えない人、耳が聞こえな人、なかなか人とうまく付き合っていけない人、
この世界にはたくさんの人がいます。
みんなお互いが助け合いながら、声をかけたり
時には手を差し伸べたり、道を譲ったり、
自分にできるささやかなことでいいから
行動していかなければいけないなと
最近、思っています。